2月の終わりにかなわぬ夢を見る

病室に入るとベッドには祖父が横たわっていて、

自分が見舞いに来たことを喜んで会話するという、

現実に反した夢を見た。

 

それはかなわなかったこと。

祖父の意識は混濁していたし、

自分の呼びかけに反応したかも定かではない。

反応したと信じているだけだ。

最期に声を聞きたかったんだけど、

一言も発することなく祖父は逝った。

人工呼吸器を外した時の開いたままの口からは

何の音も聞こえなかった。

呼吸も止まっているのだから当たり前だ。

そこは黒くて深い闇に見えた。