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読書記録『漱石先生ぞな、もし』

半藤一利漱石の孫娘(長女筆子の娘)と結婚しているから、

妻や義母から聞いた話を書いているのかと思って読んだ。

予想に反して、そういう肉親だけが知っている話ではなくて、

漱石や作品にまつわる事象を取り上げて考察している本。

といっても、研究書というのではなく、あくまでエッセイ。

漱石好きの人間が、思いついたことを時代背景等と絡めながら

想像を膨らませて好きに語っているという感じ。

なので、考察してみたけど思ったような結果はでてなかったりする。

例えば、『三四郎』の美禰子の身長は長身ではないかと思って

作品の記述を詳しく見ていくが、結果はそうでもなかったり。

まあ、そういう当てが外れるのも楽しみながら書いているのだろう。

漱石作品の女性がよく「銀杏返し」という髪形をしていることの考察とか、

教師としての漱石の話とかは面白い。

詳しい伝記とかを読んだことがある人には物足りないけれど、

そうでない人には導入として良いと思う。

漱石作品(特に初期作品)を読み返したくなる一冊。

漱石先生ぞな、もし (文春文庫)

漱石先生ぞな、もし (文春文庫)