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鑑賞記録『男はつらいよ ぼくの伯父さん』

www.tora-san.jp

今回の主役は寅さんというより満男。

寅さん好きとしては少々物足りなく寂しく感じる。

この頃、既に渥美清の体調は思わしくなかったとのことで、

全体として寅さんに元気がないようで、

映画外の事情を考え切なくなってしまうのだ。

とはいえ、青春映画然とした今作は今作で面白い。

満男にはもっとしっかりしろよと言いたくなるし、

泉の養父の嫌味にも、もっともだと頷く一方で、

頑張れよ青年と声をかけたくもなる。

満男役の吉岡秀隆は良い役者だなとか考えたり。

でも、やっぱり主役は寅さんだなと最後の最後で引き込まれる。

 

家出旅行を終えて満男が帰ってくるのを皆で迎えているところに、

寅さんから電話がかかってくる。

次々に電話を渡して皆が寅さんと話そうとする。

長引く電話に公衆電話からかけている寅さんは慌ただしく十円を入れる。

家族やタコ社長に加え、近所の人達まで集まってにぎやかな中、

さくらは、みんなここにいるのに「どうしてお兄ちゃんだけいないの」と言う。

そう、皆が揃って幸せそうにしているのに、寅さんだけそこにいない。

満男も旅をしたけれど、それは一時的なもので

旅から旅に生きる寅さんとは本質的に違う。

帰る場所も、待つ人たちもいるのに、旅に生きざるを得ない寅さん。

不幸というわけではないのだけれど、切ない生き様なのだ。