鑑賞記録『男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花』

とらや一家で水元公園へ出かけようとしていたところに寅さんが帰ってくる。

久しぶりの寅さんに気を遣い、今から出かけるところだと言えない一家。

毎度のような間の悪さと、気遣いが裏目に出るお約束の展開。

この辺りに、とらや一家の複雑な家族関係が感じられてうなってしまう。

とらやの主人夫婦は寅さんとさくらの両親ではなく「おいちゃん・おばちゃん」

さらに、寅さんとさくらは母親違いの兄弟。

決して仲が悪いわけではなく、むしろ実の親子兄妹以上に思いあっている。

それでも、微妙に生まれる寅さんとの距離というか気を遣う側面があって、

遠慮されるとうことに寅さんも敏感に反応してしまう。この辺りが切ない。

冒頭のシーンだけでこれだけ考えてしまうから、このシリーズはやめられない。

機嫌を損ねた寅さんと言い合いになり、寅さんがまたとらやを出ていこうとすると

届いた手紙が寅さん宛てで、リリーという女性(シリーズ再登場)が沖縄で

病気になり入院していることがわかる。

そこで喧嘩のことは忘れて、話は寅さんの沖縄行きのひと騒動へと展開する。

飛行機は怖いから乗りたくないと駄々をこねる寅さんも面白いが、

水元公園行きがお流れになったことなど全く気にかけず、

寅さんのために骨を折るとらや家族の姿もほほえましいものなのだ。

なんとか沖縄に着いた寅さんはリリーと無事再開し、二人は一緒の時間を過ごす。

再開したての二人の姿は、寅さんもこの人と結婚すればいいのにと思うほどのもの。

でも、そうはいかないのが「男はつらいよ」の寅さん。

二人がどうなるか(未見の方には実際に観てほしい)はらはらさせられる。

リリーの「あたしとあんたが夫婦だったら」寅さんの「俺と所帯をもつか」

というセリフに胸を締め付けられる思いがすることだろう。

とらや一家ともそうだけれど、思いあっているのに距離をとってしまう。

それが寅さんなのだと思う。

 

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