読書記録「昭和史 戦後篇」

戦後をどこまでとみるかは議論の分かれるところだけれど、

本書では沖縄返還の昭和47年(1972)をひとまず戦後の区切りとし、

それ以降の残り17年は大雑把にまとめて終わっている。

証言できる関係者も多数存命で、史料も出尽くしていない

「現代」のことであり、得々と語れないということだ。

それでも、占領政策の始まりから沖縄返還までの所謂戦後史は

読み応えがあって、今につながる歴史というのを感じさせた。

自分が通った学校では、近現代のあたりは駆け足で授業が進められ

あまり理解しないまま大人になってしまったという自覚があった。

今回、この本を読んで、点と点が繋がったような気分になった。

 

興味深かったのは、マッカーサーのもとに、昭和天皇がお忍びで向かい

行われた11回にわたる会談のこと。

この会談の中で昭和天皇マッカーサーに、戦争責任は自分にある、

絞首刑になっても構わないとまで語ったという。

日本側の記録には、そのような証言は無いとされてるが、その辺の事情は

増補された「こぼればなし 昭和天皇マッカーサー会談秘話」に詳しい。

本編では、二回目までの会談にしか触れていないので、いったいどんな会談だったのか

気になる方は、この増補部分の一読をお勧めする。

また、昭和天皇が病に倒れた時に「沖縄には行かなければならなかった」と語った裏側に

何があったかのか、推察の域を出ていないにしても、決断の重みについて考えさせられる。

 

昨今は、憲法改正の是非が叫ばれているけれど、戦後日本をどういう国にするのか、

様々な思惑の下に政権が生まれ、政党が離合集散を繰り返したことを考えると、

戦後はやはり続いているのだという気になる。

しかし一方で、近頃の政党の離合集散は理念なんて無いのだという気持ちが強まる。

日本をどこへ導こうというのか、歴史をどう評価するのか現代の課題は山積なのだ。

昭和史 戦後篇 1945-1989 (平凡社ライブラリー)

昭和史 戦後篇 1945-1989 (平凡社ライブラリー)