読書記録「父・夏目漱石」

今年は漱石歿後100年ということで、再版されたらしい。

漱石の次男である夏目伸六が、父漱石や夏目家について記した随筆集。

漱石が亡くなった時は9歳ということもあって、記憶のまま語るというよりは、

記録や伝聞を通して、自分の中の父を再構築したと言った方がいいだろう。

折に触れて、父の弟子(特に小宮豊隆)による神格化にも近い漱石像に異を唱える。

ただ、それは身内の暴露というようなものではなく、

勝手に祭り上げられた父を自分の手に取り戻す行為に近い。

夏目漱石も一人の父親であったし、筆者は紛れもなく漱石の息子だった。

その事実を丹念に積み上げていくような一冊。

父・夏目漱石 (文春文庫)

父・夏目漱石 (文春文庫)